【総武線にて】冤罪を受けたくない男子と爆音女子

 朝、満員電車に乗ることが多い。

ぎゅうぎゅうの車内ほど苦痛の場所はないんじゃないだろうか。

ついこの間、そんな満員電車をやっと降りて解放されたホームを歩いていたら

後ろの方から結構な声量で

 

「ちょちょちょちょちょ!」

 

 

と男の人の声が聞こえてきた。

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なかなかの声の大きさだったので私だけでなくホームにいた人達が一斉に声のする方を振り返っていた。

 

…男は若い女性の真後ろをかがみながらちょこちょことついていた。

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満員電車内で絡まったであろうヘッドホンのコードが切れないようにそして

痴漢冤罪を気にしてだろうか女性には触れないようにしながら大きな声で

「ちょちょちょちょちょ…」

と一生懸命、気づいてもらおうと努力していた。

かがみながらちょこまか歩く姿は阿波踊りそのものだ。

女性はというと自分のイヤホンの音楽が爆音なのか

「ちょちょちょ」には全く気付かずにスタスタとい歩いている。

 

男の人からすれば危機的状況なのだろうが全体的な画が面白いので自分も含めて誰も助けようとしない。ちょちょちょと発しながら二人は混雑の階段に吸い込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

…いや、ヘッドホン外せよ。